個人再生(民事再生)について
個人再生(民事再生)とは
個人再生手続とは,借金などの返済ができなくなった人が,全債権者に対する返済総額を少なくし、その少なくなった後の金額を原として3年間で分割して返済する再生計画を立て、債権者の意見を聞いた上で裁判所が認めれば、その計画どおりの返済をすることによって,残りの債務(但し、養育費・税金など一部の債務を除く)などが免除されるという手続です。
個人再生(民事再生)のメリット・デメリット
「個人再生(民事再生)のメリット・デメリット」をご参照下さい。
個人再生(民事再生)の概要
個人再生手続には、次の2種類があります。
小規模個人再生手続
この手続は、基本的には、個人商店主や小規模の事業を営んでいる人などを対象とした手続であり、この手続きを利用するためには,次の条件がそろっていることが必要です。
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- 借金などの総額(住宅ローンを除く)が5000万円以下であること
- 将来にわたり継続的に収入を得る見込みがあること
- 原則として3年間で、①法律で定められた最低弁済額か②保有している財産の合計金額(清算価値)のいずれか多い方の金額を最低限返済すること
- 債権者の数の2分の1以上の反対がなく、かつ、反対した債権者の債権額の合計が全債権額の2分の1を超えていないこと
給与所得者等再生手続
この手続きは、サラリーマンを対象とした手続きであり、この手続きを利用するためには、次の条件が必要となります。
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- 借金などの総額(住宅ローンを除く)が5000万円以下であること
- 将来にわたり継続的に収入を得る見込みがあること
- 収入が給料などであり、その金額が安定していること
- ①最低弁済額と②清算価値のほか、③可処分所得(収入から所得税等を控除し、さらに政令で定められた生活費を差し引いた金額)の2年分のうち、いずれか多い方の金額を最低限返済すること(ですので、一般的には小規模個人再生の場合よりも返済額が高額になります)
- 過去7年以内に破産法に基づく免責決定を受けていないこと(なお、この要件は小規模個人再生の申立てにおいては課されていません)
住宅ローンの特則
サラ金への借金などの他に住宅ローン債務もある人については、小規模個人再生手続、又は、給与所得者等再生手続の申立をする際に、住宅ローンについての特則を希望する旨付け加えることができます。
この住宅ローンの特則により、住宅を手放すことなく債務整理を行うことが可能になります。
もっとも、この住宅ローンについての返済総額は,他の借金などのように少なくすることはできません(ただし、場合によっては、住宅ローンの返済期間を延長して月々の住宅ローン返済額を減らすことができることがあります)。
また、この特則を利用する場合には、事前に銀行などの住宅ローン債権者と打合せを行う必要もあります。