持戻免除の意思表示
2014-02-15
持戻免除の意思表示って何ですか。
持戻免除(もちもどしめんじょ)の意思表示とは、特別受益(特別受益についてはこちら)において被相続人が遺贈又は贈与した額を持ち戻さなくてもよいとする意思表示のことをいいます。
つまり、被相続人からの贈与が特別受益に該当するとしても、持戻し計算をしない取り扱いを被相続人が表示したときは、この被相続人の意思を尊重するというものです。
従って、この持戻免除の意思表示を認めると贈与や遺贈を受けた相続人はその分だけ被相続人の財産を多く取得することになりますので、相続人間の実質的衡平の見地からは、それだけ多く利益を取得するだけの合理的理由が要請されるものと考えられます。
なお、持戻免除の意思表示は、特別の方式は必要ではありません。
また、その意思表示は、明示のものでも、黙示の意思表示でもよいとされています。
なお、遺留分の規定に違反した持戻免除の意思表示については、当然無効ではなく、あくまでも遺留分減殺請求権の対象となるものにすぎないとの説が有力です。
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