能力不足•成績不良と解雇
2014-02-23
能力不足と解雇について教えてください。
解雇については、解雇最後の原則といって、解雇は最終手段であることが必要となります。
能力不足•勤務成績不良による解雇については、何度も指導したり、別の仕事を行わせたりして、それでもなお改善の余地がない場合にしか出来ないのが原則です。
実際、企業が成績不良と見る長期雇用従業員を企業合理化のために放逐しようとしたケースに関する裁判例は、解雇を容易には認めない傾向にあります。
典型的には、ある裁判例は、長期雇用下の正規従業員の成績不良を理由とする解雇については、長期雇用・長期勤続の実績に照らして、単に成績が不良とだけでなく、それが企業経営に支障を生ずるなどして企業から排除すべき程度に達していることを要すると述べております。
ただし、長期雇用下の中核的従業員については、そうであるがゆえに高度かつ総合的な職務遂行能力を求められるという点に着目して解雇を緩やかに判断する裁判例も増えています(個人的には問題の多い裁判例であると考えますが)。
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