Archive for the ‘離婚問題’ Category

 婚姻関係の破綻の抗弁〜不倫慰謝料〜

2014-06-15

婚姻関係破綻の抗弁について教えて下さい。

不倫ないし不貞行為により離婚となり、慰謝料の請求をする場合に必ず問題になるのは、婚姻関係破綻の抗弁です。

不倫開始時点においては、既に夫婦関係が破綻していたので、慰謝料請求は認められない、というものです。

しかし、この抗弁はなかなか認められないのが現実です。とりわけ、同居中であれば、この抗弁で勝訴することは相当困難です。

性生活がなくとも、旅行に行っていた事実、運動会等の行事に一緒に参加していた事実、食事を共にとっていた事実等があると、外形上は平穏な家族であり、婚姻関係が破綻していたとは言えないとする裁判例が多いです。

もっとも、別居中であれば、話は別で、離婚を前提とした別居が継続していれば、比較的婚姻関係破綻の抗弁は認められます。ケース・バイ・ケースではありますが、離婚自体はお互い承認し、離婚の条件を出し合っている状況である場合などは、婚姻関係は既に破綻していると判断して良いケースが多いと思われます。

 DVと離婚

2014-02-19

離婚原因や慰謝料の発生事由にもなる、DVの種類について教えて下さい。

DVとは身体的に受ける暴力だけではなく、精神的、経済的、性的なさまざまな暴力をもすべてを含むとても広い概念です。

ここでは、以下の代表的な4つのDVについて説明します。

一つめは「身体的暴力」です。

殴る、蹴る、つねる等など、加害者が被害者に一方的に行う暴力ことです。

二つめは「精神的暴力」です。

大声で怒鳴る、無視する、人格を否定するような発言をする等など、被害者にストレスがかかるようなことを繰り返し、精神的に追い込む暴力のことです。

三つめは「経済的暴力」です。

生活費を渡さない、酒やギャンブルに生活費をつぎ込む、仕事を制限する等など経済的に自由を許さない暴力のことです。

最後は「社会的隔離」です。

携帯電話やパソコンの所有を拒否する、外出先や電話の相手をこと細かくチェックする、交友関係を細かく管理するなど社会から被害者を隔離しようする行為の暴力のことです。

以上のように、とても多義的なDVですが、その被害者は年々増加傾向にあると言われています。

この問題が厄介なのは、相手がそのような行為に至るのは愛情の現れで「自分が悪いからだ」と思ってしまう被害者がとても多いという点にあります。

そのため、長年DVの被害に遭っていながら、なかなか自分が被害者であることに気付かない方がとても多いのです。

DVを愛情と勘違いするのは大きな間違いです。

配偶者やパートナーからの行為が少し変だなと感じたら、迷わず、専門家などに相談することをおすすめします。

場合によっては、離婚事由や慰謝料の発生事由を構成している場合も多いです。

 

 財産分与と退職金

2014-02-08

退職金も財産分与の対象になりますか。

退職金には、給与の後払い的な性質がありますので、退職金も給与と同様に財産分与の対象になりえます。

したがって、退職金がすでに支払われている場合には、退職金が財産分与の対象になることは争いがありません。

この場合、配偶者が退職金の形成にどれだけ貢献をしているのか(寄与期間割合)を算定し、財産分与の額を計算することになります。

具体的には、退職金の金額×同居期間÷勤続年数×寄与割合、という計算式によることが多いでしょう。

では、退職前の場合はどうでしょうか。

そもそも、退職金が実際に支払われるのは退職のときであり、会社の経営状態や退職理由によっては支払がされない可能性もあり、確実に支払われるわけではありません。また、その金額も退職するまでは確定出来ません。

そのため、退職が何十年も先であるというケースでは、一律に退職金を財産分与の対象としてしまうのは不都合です。

したがって、退職金を財産分与の対象とするためには、退職金の支給が確実であると見込まれること、つまり、退職金支払いの蓋然性があることが必要とされています。

この退職金支払いの蓋然性の判断は容易ではなく、一律に決することは出来ませんが、中小企業であれば退職が2年以内であることが目安とされています。

公務員の場合は、倒産の危険やリストラの可能性も低いので、ある程度退職が先でも蓋然性ありと判断される傾向にあります(地方公務員の場合で、13年後の定年退職金を認めた裁判例もあります)。

大企業の場合は、ケース・バイ・ケースという他はありません。

財産分与の基礎となる退職金の額を決定するには、離婚時(別居時)に会社を辞めたらもらえる分を仮定的に計算し、その金額を分割するという考え方が主流でしょう。

この場合、『退職金相当額』に対する分与額を算定する計算式は、離婚時(または別居時)の予定退職金額×同居期間÷在職期間×寄与割合となります。

 財産分与と負債

2014-02-07

夫と離婚しようと思いますが、夫には住宅ローンが3000万円(住宅の時価は2500万円)あり、預金は100万円程度しかありません。私には財産は一切ありません。この場合、財産分与をすればどのようになるのですか。

 

今回のケースですと、住宅が500万円のオーバーローンとなっていますので、仮に住宅を売却したとしても、500万円の負債が残ります。そして、夫には預金が100万円しかないので、夫はトータルで400万円の負債を抱えるということになります。今回のように総財産を清算しても負債しか残らない場合どのように財産分与を処理するかについては、諸説あり、裁判例も分かれています。

第1説は、預金100万円だけを財産分与し、住宅については負債も含めて財産分与では一切考慮しないという見解です。

第2説は、オーバーローンにかかる負債を他の財産と通算し、その残額を財産分与とするというもので、オーバーローンの住宅も財産分与に当たって考慮するというものです。

現在では、第2説が主流でありますが、通算の結果、負債の方が多い場合にどのように処理すべきかについては、第2説の中でも争いがあります。

第2−1説は、負債しか残らない場合、負債の名義人は配偶者に負債の分担を請求出来るとする見解です。

第2−2説は、負債しか残らない場合には、負債の名義人は配偶者に負債の分担を請求出来ないとする見解です。

この点については、第2−1説も有力ではありますが、現在では第2−2説が主流のようです(個人的には、負債も公平に按分すべきであるとする第2−1説の方が実態に合致していると思いますが)。

この第2−2説からすると、夫がトータルで400万円の負債を抱える代わりに、負債については一切負担の要求が出来ないということになります(妻も何ら財産分与を請求出来ません)。

もっとも、調停の段階では話合いによる弾力的な解決が可能ですので、夫の収入や、妻の収入等に照らして妥当な解決が可能です。

 離婚と慰謝料と税金

2014-02-06

私は夫と離婚することになりました。夫の約3年間に渡る不倫が原因ですので慰謝料を金銭で800万円を請求しようと思います。夫の財産からみれば妥当な金額であるかと思いますが、慰謝料をもらうと税金がかかるのでしょうか。

 

離婚により慰謝料をもらった場合は原則として税金はかかりません。

離婚による財産分与や慰謝料による財産の受領は、原則として贈与による取得ではないと考えられているため、贈与税等の税金は課税されないのが原則です。

もっとも、常に課税されないわけではなく、財産の受領が贈与とみなされた場合は贈与税が課税されますので注意が必要です。

贈与とみなされる場合とは、相続税法上、離婚による財産分与に係る財産の額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮してもなお過当であると認められる場合又は離婚を手段として贈与若しくは相続税のほ脱を図ると認められる場合、とされています。

今回であれば、離婚原因が夫の長期間に渡る不貞であり、夫の財産からみても妥当ということですので、贈与とみなされることはなく、税金はかからないと考えても良いでしょう。

 家を出た妻からの婚姻費用分担請求

2014-02-02

浮気をして家を勝手に出た妻から婚姻費用の分担を求められています。私には婚姻費用を支払う義務があるのでしょうか。

原則としては、別居中でも婚姻費用の分担義務があります。

しかし、上記のようなケースでは、常識的に考えて婚姻費用を支払うことはためらわれるでしょう。

判例実務においても、生活費を請求する側に専ら別居原因がある場合には、婚姻費用が減額されるケースが多くなっています。

但し、正当な理由に基づく別居なら、たとえ一方的に別居をしたとしても婚姻費用を受け取ることができます。

例えば、同居していては暴力を振るわれる危険があるとか、夫と一緒にいると精神的な病気(自立神経失調症や適応障害等)になってしまうなどの事由が該当します。

その他にも正当事由に当たるかどうかが微妙なケースも多々あろうかと思いますが、詳しくはお気軽にご相談下さい。

 養育費の強制執行

2014-02-01

夫と調停離婚が成立し、毎月4万円の養育費を支払ってもらえることとなりました。ところが、夫は第2回目の支払いから現在まで合計7回の養育費を支払ってくれません。どうすれば良いでしょうか。

 

養育費の不払いはとても多く、実務上も問題になることが多いですね。

通常このような場合には、夫の給与を差し押さえすることで養育費の支払を確保します。

今回のケースでは、滞納分の28万円と将来に渡る養育費(この将来分については平成15年民事執行法改正により可能となりました)について、給与債権の差し押さえが可能です。

また、通常の債権とは異なり、養育費の差し押えができる範囲は、毎月の給料の2分の1までです。

ですので、今回のケースであれば、調停における債務名義を基にして元夫の給与債権を差し押さえることで養育費の履行を確保することになります。

 住宅ローンと財産分与

2014-01-29

住宅ローンが残っているのですが、財産分与に当たって、このローンの清算はどのようにすればいいのでしょうか。

 

財産分与で住宅ローン付きの住宅をどのように清算するかは実務上も問題になることが多いですね。

まず、住宅を売却するのではなく、夫婦の片方が住宅に居住する必要がある場合は、住宅の所有者をどちらにするかが問題となります。

住宅の所有権を取得したほうがローン支払い名義人である場合は、そのまま名義人が支払い続けることでよいですが、名義人でない者が住宅を取得する場合には、金融機関と相談して債務者を取得者に変更してもらうか、債務者をそのままにして従来どおり名義人が払い続けるかを決めなければなりません。

但し、金融機関は簡単には債務者の変更(更改契約)には応じてくれません。金融機関からすれば、誰が債務者であるかは重大事項であるため、資力に不安のある者に名義変更することを躊躇うからです。

ですので、名義人が払い続けることとして、その支払額に相当する金額を、取得者から名義人に(公正証書で)支払約束することによって、双方の利害を調整することが妥当でしょう。

 性格の不一致と離婚

2014-01-28

夫と結婚して3年目になりますが、性格が合わず、毎日喧嘩ばかりです。別居して半年が経過しましたが、離婚出来ますか。

 

離婚事由の中で最も多いのが、性格の不一致です。

協議離婚のケースはほとんどがこの性格の不一致で占められているといっても過言ではないでしょう。

もっとも、裁判離婚となると、性格が合わないから直ぐに離婚できるかというと、答えは「NO」です。

裁判で離婚が認められるのは、婚姻を継続しがたい重大な事由がある場合だけです。

元々育った環境も価値観も違う男女が生涯を共にするのが民法の定める「婚姻」ですので、多少の性格の不一致は法が当初から予定しているものといっても良いでしょう。

ですので、性格の不一致が直ちに裁判上の離婚事由に当たるわけではないのです。

もっとも、性格の不一致が常に裁判上の離婚事由にならないわけではありません。一定の場合には、性格の不一致が裁判上の離婚事由になります。

その際、重要なのが別居期間です。

別居期間が4年から7年程度継続すると、性格の不一致も裁判上の離婚事由となり得ます。

今回は、結婚3年目で、別居も半年ということなので裁判離婚はなかなか認められないでしょう。

協議離婚や調停離婚を試みるしかないと思われます。

 離婚届に署名したけど後悔している

2014-01-24

夫婦喧嘩をしたときに、ついカッとなって離婚届にサインをしてしまいました。妻はその用紙をどこかにしまっています。どうすれば良いでしょうか。

夫婦喧嘩の際にカッなって離婚届けにサインしてしまって後から気が変わったという事例は稀にあります。

このような場合、直ぐに本籍地の役場に離婚届の不受理の申出(不受理届)をして下さい。

そうすることで、離婚届は受理されません。この不受理届の用紙はどこの役場にもありますので、それをもらって直ちに提出して下さい。

なお、あなたの妻が既に離婚届を提出してしまっていた場合、この離婚届は無効です。

離婚するという意思は離婚届け提出時点で必要ですので、この離婚届は無効となるのです。

そのため、このような場合には離婚無効の調停を起こすことになります。

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