遺産調査〜遺産分割調停・遺留分減殺請求〜

2014-03-05

遺産分割調停で相手が財産を開示していないと思います。どうすれば良いですか。

まずは、相続税申告書を調べます。

相続税申告は相続開始後10ヶ月以内に行う必要がありますので、被相続人が亡くなられてから10ヶ月を経過すれば、その段階で申告書が手に入るとは思います。

この相続税申告書には不動産や預貯金などの遺産(無価値な動産や形見程度のものは除きますが)は基本的に全て記載されているはずです。

そのため、遺産内容を把握する方法として相続税申告書が一つの有効な手段です。

もっとも、相続税申告書は申告者が作成するものであり、記載すべき遺産を申告書に記載していない場合もあります。

そのような場合には、独自で遺産を調査する必要が生じます。

ここで、最も隠匿され易いのが預金です。

預金については、数年前まで、多くの金融機関が、被相続人(死亡した人)の預金口座の動きを知りたければ、相続人全員の印鑑をもらってこいという姿勢でした。

しかし、近時、最高裁判所が、相続人からの請求があれば、全員の同意がなくても、被相続人の預金の取引内容を知らせなければならないとの裁判をしたことから、現在は、ほぼほとんどの金融機関がこれに従っています。

その場合、以下の資料等が必要です。

まず、あなたが、被相続人の相続人であたることを明らかにする資料が必要です。被相続人とあなたのお父さんの除籍謄本、あなた自身の戸籍謄本の取り寄せが必要です。なお、あなたが戸籍に記載された相続人であることについては、運転免許証で証明可能です。

次に、取引履歴の開示は各金融機関の支店毎に請求する必要があります。

したがって、被相続人が、たとえば三井住友銀行と取引していたというだけでは足りず、同銀行のどこの支店と取引していたかを確認する必要があります。

なお、被相続人が死亡した時点の遺産残高の確認だけでは不十分です。

被相続人が死亡する前に、多額の金銭が引き出されている場合が多いので、死亡前の少なくとも数年前からの取引状況の開示が必要です。

金融機関から情報を入手した後で、その取引におかしい点があるかどうかを確認する必要があります。

備考欄から、被相続人が取引していた他の取引銀行や証券会社が判明した場合には、その金融機関に対しても取引履歴の調査をする必要があります。

 

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