雇止め法理

2014-02-22

 雇止め法理について教えて下さい。

有期雇用契約の更新拒絶については、労働契約法が改正され、

①過去に反復して更新されたことがある有期労働契約であって、その契約期間の満了時に当該契約を更新せずに終了させることが、期間の定めのない労働契約を締結している労働者に解雇の意思表示をして契約を終了させることと社会通念上同視できると認められるか、または、当該労働者が当該有期労働契約の契約期間の満了時に当該契約の更新を期待することについて合理的な理由があるものと認められる場合であって、②当該有期労働契約の契約期間が満了するまでの間に労働者が当該契約の更新の申込みをしたか、または当該契約期間の満了後遅滞なく有期労働契約の締結の申込みをしており、③使用者が当該申込みを拒絶することが客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは、使用者は、従前の有期労働契約の内容である労働条件と同一の労働条件で当該申込みを承諾したものとみなす、と規定されました。

本条は、反復更新により実質的に期間の定めのない労働契約と同視できる場合、または契約更新につき合理的な期待が認められる場合、更新拒否については客観的に合理的で社会通念上相当な理由が必要となる、という雇止めの判例法理を立法化した規定であります。

法律効果のうえでも、上記①に該当し、上記③の理由を労働条件と同一の労働条件で当該申込みを承諾したものとみなす、として、法定更新であることを明示しております。

従前の判定法理では、上記②の、当該有期労働契約の契約期間が満了するまでの間に当該契約の更新の申込みをしたか、または当該契約期間の満了後遅滞なく有期労働契約の締結の申込みをしており、という要件は明示されていませんでしたが、従前の判例では、労働契約期間の満了時の前後において、労働者が更新を求める一方で、使用者は更新を拒否するという紛争に関するものであったと解されること、法定更新という法律効果の発生を明確ならしめるためには、満了時の前後における労働者の契約更新の求めを要件とすべきと考えられたことなどによって、判例法理の条文化にあたっては、上記②のような要件が規定されました。

労働者の更新の求めは黙示の意思表示でよいのであって、典型的には、使用者の雇止めに遅滞なく異議を述べれば、更新または締結の申込みを黙示にしたこととなります。

 

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