不倫、不貞行為の慰謝料を請求された場合の対処法

2022-04-10

【彦根市の弁護士によるコラム】

滋賀県弁護士会所属の弁護士の石田拓也です。当事務所は、滋賀県彦根市に所在する「弁護士を身近に」を理念とした地域密着型の法律事務所です。

まずは、本ページをご覧いただき、ありがとうございます。

今回は、以下の問題につき、ご説明させていただきます。

【質問】突然、以前に不倫関係にあった方の配偶者から慰謝料の請求を受けました。金額は500万円を記載されています。どうすれば良いでしょうか。

近年では、不貞慰謝料の請求に対して、弁護士には相談せずに、ご自身で示談をなされる方が多くおられます。

そのような事例では、ある日突然、不貞相手の配偶者から直接電話があり、直接面談するなどして、示談書や念書に署名してしまったという事例が相当程度存在します。

しかし、端的に申し上げて、不貞慰謝料の請求を受けて、当事者間だけで示談することはお勧めできません。

(※勿論、個人の自由ですので、秘密裏に示談してはいけないわけではありません。)

第一に、示談書に一度署名すると、その効力を覆すのは、容易ではありません。

第二に、不倫・不貞行為の慰謝料の金額については、相手方が離婚または別居したのか、それとも修復したのかという不貞行為の結果の問題だけでなく、②不貞期間、③婚姻期間、④当事者の資力、⑤従前の婚姻状態(別居か同居か、円満か否か等)など様々な事情により決まります。また、最高裁平成31年2月19日判決以降は、不貞行為の第三者の責任は限定されたものになるという解釈も有り得るところですので、多額の慰謝料を支払う必要がない場合もございます。

第三に、相手の請求が時効にかかっている場合もありますが、時効期間経過後にこちらが「払うから、少し待って欲しい」とか、「一部だけ払います」などと言ってしまいますと時効だと主張できなくなる可能性もあります。

第四に、交際相手に対する求償の問題があります。相手方に150万円支払った後に、相手方の配偶者に対して75万円を求償する場合、相手方が離婚しないのであれば、求償権を放棄した上で、75万円を相手方に支払い、関係を全て清算した方が良い場合もあるでしょう。

そのため、不倫、不貞行為の慰謝料を請求された場合には、まずは、専門家である弁護士に相談することが極めて重要になります。

 

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